*SS置き場*
□何故ならそれは着物だからです。
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着物…
それはこの街では行き交う人々のほとんどが着用している普段着だ。
だが、みかは仕事の時はスーツで、白いブラウスを着て、ジャケットを羽織り(時としてカーディガン)スカートにストッキングにパンプスと言ったよくあるOL姿だ。普段は洋装を好み、やはりスカートだ。
着物…
それは一般の女性には普段着であっても、みかにはかなりのレアな服装である。
「で、今日は着物なんだな…」
普段あまり見慣れないみかの着物姿はなんとも言えず……うん。
露出は極めて少ない。
出ているところと言えば、足首だけだ。
着物姿のうなじはハンパないが、歩くときに見え隠れする足首の生足感の破壊力と言ったら、それはもう……
「……さん、ひじかたさん!!土方さん!!」
あ、しまった。ちょっと妄想の世界に行っていた…
「どうしたの?ぼーっとして、風邪?熱でもあるの??」
みかは、右の袂を左手で押さえながら手を伸ばして俺の額に当ててくる。
ヤバい、なんだこの色気は。
ちょっと袖口から白い腕が見えただけだというのに…
「だ、大丈夫だ。なんともねェよ、俺は至って健康体だ。」
かなり、健康体だ。あっちも
「ならいいけど、いつも忙しいから無理しているんじゃないかと…心配だよ。」
心配してくれるみかには悪りィが、今の俺は健康すぎる自分自身に困り果てているんだ。
なんとかしてくれよ…
「私にできることがあれば、何でもするから言ってね?」
みかは、すごい言葉を俺の顔を見上げて首を傾げて言ってきやがる。
なんなんだ?
今日は、何かの罰ゲームかなんかなのか?
誰か、総悟あたりが仕組んでんじゃねーのか??
悪りィが、もう無理だ。
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