*SS置き場*

□酒は呑んでものまれるな。
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***


「実は、お前って…酒強くないか?」


一緒に呑んでいたほろ酔いの土方さんは私のグラスを見て言った。


ビール、日本酒、ワインいけます。
酎ハイ、カクテルはジュースです。

梅酒
泡盛
ウィスキー
ジン
は常にロック

でも焼酎は苦手なの。
ロックじゃないと呑めないんだけど…ね?

で、今日はジンのロックだけですよ?


「……みか、それを酒豪と呼ぶんだ。普通の女はロックでは呑まねェんだよ。」


普通の女ねぇ…
普通の女ってなに?
普通の女を貴方は知っているんだね。

酔うと絡む癖。
でも、土方さんにしか絡まないんだよ知ってる?




ベッドの上では既に馬乗り。
今夜は私が貴方をいただきます…


「……こんな私……イヤ?」


見下ろす顔は薄明かりでも影っていてよくは見えない。


「……そんなことねェよ。」


言葉を聞きたくて、近づいたらもう制御出来なくて私は土方さんを貪る。


こうなるのは愛故に…


貴方をかき乱したくて
私でいっぱいいっぱいになって欲しくて
どうしようもなくなって欲しくて

だから私は貴方を貪る。


「……んン……」


声を漏らすのは土方さん、
貴方のほう。
私のせいでこうなっている貴方がとても愛おしい。
でも、貴方の思い通りにはさせたくないの。
私は貴方が私を求めるように仕向ける。わざとたっぷりといたぶってから求めさせる。


「……みか、そろそろいいだろ?」


まだまだ許さない。
更に私は貴方を攻める。


「……ンん……みか。」


仕方ないなぁ…


私はようやく許して貴方を跨ぐ、
しずる私を受け入れて?

やっぱり私を感じて欲しい。
貴方のリミッターは私が外すの。
でも、その前に私が負けるのね、だってもう動けない。
だから私は貴方に委ねる…





「あのなァ、俺を襲うなよ?」


胸にもたれて響く声は言葉のわりにとても穏やか。


「……だって、嫌いじゃあないでしょ?」


唇にキスを落とすのは私。


「そんなの……みかじゃないと許さねェ。」


言葉と共にキスの嵐。
私は満足して眠りにつく。


***

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