マヨネーズ王国の入り口

□小春日和
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ある晴れた日の午後、俺は巡察に出ていた。


「オイ…総悟。テメー何こんな所でサボってやがる。」


たまたま立ち寄った公園のベンチで、総悟が昼寝をしている所を見つける。


「何か用ですかィ、土方さん。俺は真面目に仕事してやすぜ?」


総悟はアイマスクを外すと、まだ眠そうな目を俺に向けて、何くわぬ顔で言ってのける 。


「どこが真面目に仕事してんだよ!
!オマエのその湧いた頭ん中に、この刀を刺してかき混ぜてやろうかァァァ!?」
 

いつものように総悟の胸ぐらを掴み罵倒するが、総悟は全く堪えることなく半開きの目で少し離れた場所を指差す。


「言いがかりはよしてくだせェ。ホラ、俺の読み通りあそこでひったくりが…」


「ったく、テキトーなことばっかり言いやがって…」


総悟を突き放し、苛立ちながら煙草を咥えなんとなく指差した方に目線を向けると…


「ちょっとー!なにすんのよ!


あ…本当にひったくりだ。


「じゃ、後は任せやしたよ土方さん。」


総悟は何事もなかったかのように片手をひらひらとさせ、踵を返して去っていった。


「…え?オイィィ、総悟ォォォ!!
ゴルァァァーー!! テメェなに人の
鞄持って行こうとしてんだよ!!!現行犯でしょっぴいてやる!!!」


とりあえず、見てしまった以上見過ごすことも出来ずに、俺が捕らえるハメになる。
その後、ひったくり犯を難なく捕らえ、パトカーで巡回中の奴らに連絡を取り引き渡す。


っと、 被害者にも一応事情聴取しとかないとだな…


「オイ、大丈夫だったか?」


被害者の方に向き直ると、女は鞄を抱えたまま、青ざめた顔で立ちすくんでいた。


「大丈夫…です。たぶん大丈……」


言い終わる前にしゃがみ込んでしまう。


オイオイ…


「大丈夫じゃねーみてェだな。顔色が悪い…」


面倒だが、このままにしておく訳にもいかず、女を支えてやり近くのベンチに座らせる。


「す、すみません…少し座っていれば良くなると思うので…」


見るところ全然大丈夫そうじゃないんだが…
そう思ってそのまま俺は隣に腰掛ける。


「あの、本当に…大丈夫です。」


生気の抜けたような真っ青な顔で何言ってやがる。


「うるせェな。俺はちょっと一服してから行こうと思っただけだ。」


俺は煙草に火を付けて吸い込み、吐き出す。

さて、どうしたものか…

性格上このまま
置いていくことも出来ずに思考を巡らせた。
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