ナギの秘密〜ナギの誓い〜

□ナギの誓い@
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ベッドに浅く腰掛け、肘を脚に乗せ前かがみになって、ずっと考え込んでいるナギ。

その表情からは何も読み取ることができない。

snowは離れた場所から、ナギを見守っていた。


ナギのことだから。


時期をみてちゃんと話してくれる・・・はず。

それでも不安が少しずつ胸に広がり、いつしか息苦しさを覚えてしまう。

『甲板に行って海風にあたってこようか』

そう思った時、顔を上げたナギと視線がぶつかった。

しばらく無言で見つめ合った後、ナギがポンポンと自分の隣を叩いた。

「…ん」

snowは、今にも消えてしまいそうな返事をするとナギの隣に腰を下ろす。

ナギはフッと短く息を吐き、ようやく口を開いた。

「これから船長の所に行って来る」

「はい・・・」

「だがそれより前にsnowには話しておこうと思う」

「え…?」

「俺は近いうちにシリウス号を降りるつもりだ」

「降りる?」

「ああ、シリウス海賊団を抜けようと思ってる」

「ええっ!?」

snowは隣に座るナギの端正な横顔に目を向けた。

キュッと結ばれたナギの唇が、その意思の強さを何より物語っている。


きっとナギのことだから。

散々迷って、悩んで出した結果なんだろう。

だからこそ。

今更何を言っても、その答えを覆すことがないことはsnowが一番よく知っていた。

ナギの大きな手が優しくsnowの肩を抱く。

「お前に何も相談せず悪ぃと思ってる。だが俺の決心は固い」

「…」

「出来れば俺について来て欲しい。でも無理強いはしねぇ…」

そこまで一気に話すとナギはようやく微笑んだ。

そんなナギにsnowは尋ねる。

「理由を教えて」

「…今はまだ言えねぇんだ」

「どうして?」

「どうしても、だ。本当に済まねぇ」

ナギが深々と頭を下げた。

snowは思わずナギにしがみつく。

「そんなことしないで!わかったよ。理由は聞かない。それに私は…どこまでもナギについて行くから!」

「ありがとう」

逞しい腕がsnowの背中に回り、そっとその身体を抱き寄せた。





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