それを運命というのなら

□第三話 懇親会
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悪態をついて落ち込んでいる白鬼院さん。
・・・大丈夫かな。
白鬼院さんに話しかけようと思った時、故意ではないだろうけど二人の男子が前に立ちふさがった。
・・・こいつらどっかで見たことある。
あれ?どこだっけ?
・・・・・・・あ、思い出した。白鬼院さんの悪口言ってたやつらだ。
まさかまた何か言うつもりなんじゃ・・・

「おい見ろよアレ。あんなところで伏せてるぞ」

「きっと緊張してるんだ。荷が重すぎたんだろう」

・・・こいつらまた性懲りもなく!
全然反省してねーな。しかも聞こえるか聞こえないかの距離で言うなんて一番嫌なやり口だな・・・!
確かに白鬼院さんの悪癖は悪いと思う。だけどこういうやり方は好きじゃない。
大体あんたらの性格のほうがよっぽどひどいだろ。
もう我慢ならない

「ちょっと・・・!?」

何か言ってやろうと思った時、双熾がいつの間にか前に出て二人の男子に水をかけた。
一瞬何が起こったかわからなくて固まってしまった。

「「・・・え?・・・」」

「!!」

そりゃ驚くよね。うん、あたしも驚いた。
て言うか双熾、あんたは何してる。いくらムカついたからってそれはアウトだ!暴力に入るからね、それ。
だけどあたしには何も言う権利はないので黙ってみているしかない。
役員として止めることもできるけどそれをしてどうこうできる問題じゃないだろうし。

双熾は男子二人が言った言葉を撤回しろといった。
撤回する代わりに土下座しろという男子。こいつら本当に性格最悪だな・・・

「さっきするって、ひっ」

「土下座する必要はない」

「凜々蝶さま・・・!」

「な・・・」

「なんだ水までかけておいて・・・!これは立派な暴力だぞ!!」

やっぱりそういうことになるか。
白鬼院さんは一体どうするつもり?

「彼は僕のSSだ。彼の責任は僕にある」

そう言って近くのグラスをとって・・・
自分に掛けた。
あまりの出来事に周りがあっけにとられる。

「これで如何かな?」

『ピ−ンポーンパーン』

『これより懇親会を開始します。新入生代表は舞台そでに―』

「凜々蝶さま・・・っ」

舞台袖に向かう白鬼院さんを双熾は追いかけて行った。
・・・なんか一件落着になりそう?珠乃の言うとおり放っといて大丈夫だったみたいだね。
さてと・・・

「そこの男子二人・・・」

「「ひっ」」

「風邪を引くから控室に行って体をふきなさい。
 それと、これに懲りたらもうしないことね」

さてと、あたしも仕事しよう。






あいさつを終えた白鬼院さんと双熾を控室に送り届け、事の成り行きを見守った。
無事に仲直りして、改めてSSに双熾はなったようだ。
これで一安心。あたしは会場にも戻ろ。

「やあ桃鬼院君」

出たな腹黒嫌味生徒会長

「会長。何の用ですか?」

「聞きたいことがあってね。なぜあの時、現場に居ながら止めなかったんだい?」

「・・・止めても言うこと聞かないかなって思ったからです」

嘘。本当は見守りたかったから。
覗き見しちゃったけどなんとか丸くおさまったっぽいし結果オーライだったよ。

「そうかい。今回のこと、ペナルティにしようと思ったけど・・・止めておくよ」

「・・・珍しい。明日は槍でも降るんじゃ」

「やっぱつけてあげようか」

「すいませんやめてください」

「わかったよ。さあ、会場に戻ろうか」

「そうですね」

この会長は何考えてるか本当にわかんないな。
まあいいや。珠乃に一連の出来事をメールで報告しよう。
きっと喜ぶぞ、あいつ

第三話 懇親会 END


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