それを運命というのなら

□第三話 懇親会
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優万side

懇親会当日
あたしは生徒会副会長なので強制的にパーティーに参加なのだが・・・
やばい、あたし一人でドレス着れない・・・
というか髪のセットと化粧が一人でできない。どうしよう、どうすればいい!?

『ピンポーン』

この忙しいときに誰だー!
と叫びたい気持ちでいっぱいだったが八つ当たりなので我慢した。
ドアを開けると袋を持った珠乃が立っていた。

「どうしたの?」

「懇親会の準備できた?出来てなかったなら手伝おうと思って来たんだけど」

「・・・手伝ってください」

「いいよー」

本当、申し訳ない。
ごめんね、女子力低くて。
珠乃を部屋に入れて、化粧台の前に案内すると座ってと言われたので鏡の前に座った。

「ドレスは着てるみたいだから後は髪と化粧だけか」

「うん。あたしこういうのよくわからないからあんたのセンスでよろしく」

「まかせてー」

珠乃はこういうことに関してはかなりセンスがいいから安心して任せられる。
・・・何でこんなに女子力高いんだろう

「いつもはあげてるからおろして髪巻こうか?
 あ、でもおろすのは嫌?」

「いや、いいよ」

正直セットしてもらってる身でこんな髪型がいいとか我儘言うつもりはない。

「じゃあみつあみでカチューシャ作ってそこに飾り付けするか」

「よくわからないけどそれでよろしくお願いします」

「メイクはどうする?」

「なるべく濃くないようにお願い」

「わかった」

そこからの作業は早かった。
珠乃は馴れた手つきで髪をいじり始めたと思ったら次の瞬間にはもうメイクに移っていた。
およそ20分ですべての作業を丁寧かつ完璧にこなした。
もはや神業だろ、これ。

「はい、終了」

「ありがとう。じゃああたし行ってくるね」

「いってらっしゃい。気をつけてね」







会場に着くとすぐさま控室のほうへ向かった。
これから生徒会メンバーで最後の打ち合わせをすることになっている。

控室の扉を開けるとまだ五分前だというのにあたし以外の生徒会メンバーがもう集まっていた。
みんな早くね?それともあたしが遅いだけなの?

「やっと来たか桃鬼院君。相も変わらず遅いね。
 副会長がそれで大丈夫なのかい?」

「それはすいませんね会長」

・・・この会長はよぉ出会い頭になんて嫌み言うんだ。
こいつ、青城学園の会長夢路透深(ゆめじとうみ)は何かとあたしと張り合ってくる奴。
ちなみに獏の先祖返りだったりする。

「透深うざい。いいから早く打ち合わせしようよ」

会計の荒熊愛芽(あらくまあいめ)ちゃん。
よく会長のことを止めてくれる頼りになる存在。彼女も先祖がえりで鬼熊の先祖返り。
うちの生徒会はなぜか先祖返りが多く、このほかにも二人ほど先祖返りがいる。

「わかったよ。じゃあまず役割の確認をしようか。桃鬼院君」

「えーと、始まりの挨拶は千花ちゃん、司会は愛芽ちゃん、生徒会代表の言葉は会長、
 会場受付が輝くんと春花ちゃん、会場見回りがあたしと純也くん。
 その他が会場準備など・・・」

こうして打ち合わせは着々と進んでいった。

〜数十分後〜

「ではこれで打ち合わせを終了します。皆さん、懇親会頑張りましょう!」

「「「「「おー!!」」」」」

何だかんだでうちの生徒会って団結力いいよね。






打ち合わせから数分後、着々と人が集まってきた。
あ、野ばらちゃんと白鬼院さん、カルタちゃんも来たみたいだね。
・・・双熾は来てない、か。
珠乃は放っておいても大丈夫って言ったけどやっぱり心配なんだよね。別に珠乃を疑ってるわけじゃないけど。

そういえば白鬼院さんは新入生代表なんだっけ?
あたしもやったな一年生の時。そういえばそのころから会長に敵視されてたような気がする。
あ、双熾来た。
何か白鬼院さん探してるっぽいな。
白鬼院さんは・・・会場うろちょろしてるみたいだけど緊張して落ち着かないのか?
大丈夫かな代表の挨拶。
あ、先生に悪態ついてる。
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