それを運命というのなら

□第三話 懇親会
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珠乃side

「あ、凜々蝶ちゃん!」

優万ちゃんと二人で帰り道を歩いていると凜々蝶ちゃんを見つけた。
急に声をかけて驚いたのか一瞬体をビックっとさせてこちらに顔を向けた。
あれ?なんか前もこんなことあったような?

「なんだ、君達か。」

「今朝ぶり〜」

「白鬼院さん、あの後は大丈夫だった?」

「ふん、君に心配される筋合いはないな。
 大体あれくらい、僕一人でも十分何とかできたが?」

「そう・・・」

「まあでも、その、ありがとうございます。とでも言っておこうか」

「どういたしまして」

話が読めない。
え、なに?ボクがいない間に二人に何があったの?気になる。
・・・過去覗いちゃおうかな〜?

「珠乃、後で説明してやるから、覗いたら絶交ね」

「ラジャー」

「?覗くとは何のことだ?」

「あー気にしなくていいよ」

優万ちゃんにはすべてお見通しのようです。






マンションの入り口までつくと連君と野ばらちゃんがいた。
立ち止まってるけどどうしたのかな?

「何してる、入口で」

「どうかしたの?」

「妖しいよ、そんなところで止まってると」

「おお。凜々蝶。珠乃、優万も」

「ちょっと入り辛くて」

「「「入り辛い?」」」

あ、ハモった
じゃなくて入り辛いってどういうことだろう?
入口の先を見てみるとそーちゃんと見たことない女の人がいた。
誰だろう、あの人。
てか、結構な美人さんじゃないですか。

「ちょっとただならぬ空気よね。てゆーか美人じゃないの」

「ってゆーか巨乳じゃないの」

ってゆーか連君は何てところに目を向けてるの。
ん、あれ?そーちゃん、何でその人の唇に手を置いて・・・ってあーキスした!
なにやってんのさそーちゃんん!せめて場所考えて、場所!
はっ凜々蝶ちゃんはこんな場面見て大丈夫なのか!?
・・・ずいぶんと驚いていらっしゃるようです

「えっ」

「!凜々蝶さま・・・」

これは・・・いわゆる修羅場というやつでしょうか?






「彼女じゃないんだ」

「はい。以前告白されてお断りしたのですが・・・
 これで諦めるからとお願いされて」

・・・だからって普通しますかそーちゃん?
流石に好きでもない人にしたら駄目でしょうが。
そして凜々蝶ちゃんから何か重いオーラを感じる。

「部屋に戻る」

「凜々蝶さま!」

これは一悶着ありそうな気がするなあ。
まあでも、あの二人なら自力で解決できる気がするから今回は放っておこう。

「・・・あの二人大丈夫かな」

「大丈夫でしょ。優万ちゃんは心配性だねー」

「いや、だって・・・」

「今回のことは本人達で解決しないと駄目な気がするよ。ボクは」

「・・・でも」

「二人の問題なんだからボク達がしゃしゃり出てどうこうできるもんじゃないよ」

「わかったよ・・・」

「そんな不服そうな顔しないでよ〜。
 ほら、頼られたらちゃんと手伝えばいいんじゃない?」

「・・・そうだね。あんたの言うとおりにしたほうが今回はいいのかもね」

「本当、世話焼きだよね優万ちゃんって」

「あんたに言われたくない」

「なんでさー」

無事に問題が解決できることを祈ろう。
きっとそれぐらいしかボクらにできることはないから。
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