それを運命というのなら

□第一話 新しい入居者
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優万side

強盗が入った。別に人間の侵入者だからいいけど珠乃を人質にとるのはいただけない。
まったく、とことん巻き込まれ体質なんだから。助けるこっちの身にもなってよね。
取りあえず変化しておこう。
桃の花が全身を包みあっという間にあたしは鬼の姿になった。
野ばらちゃんも変化したらしく周りには冷気が立ち込めていた。

「ヘ、ヘルプミー」

「おー大丈夫か〜?」

「大丈夫じゃないかもー」

緊張感なさすぎる。こいつもつかまってるのに笑っているし。
強盗犯はあたし達が変化したのを見ておびえている。

「ば、化物・・・っ!!よ よ よるな!」

「化物ですって?失礼ね。あたし達はれっきとした人間よ」

「先祖に妖怪と交わった者がいてその先祖がえりなだけ。
あたしらみたいなのは純血の妖怪に狙われやすい」

「だから実家を出たら固まって暮らして助けあう。
っていうこのマンションっていうシステムがつくられた。オニーサンわかった?」

そういうと珠乃も死神の姿に変化した。
その反動で強盗犯ははじかれて珠乃から離れた。

「だいたい、強盗ごときに化物扱いされたくないわよ。しかもムサい男だし。
キャ○ツ・アイみたいな三姉妹とかににしてよせめて」

「レオタードなー。」

だから緊張感なさすぎだろ!
脅えてんの強盗ぐらいしかいないし。普通襲うはずの人物が脅えてどうする。

「な・・・っな何言ってんのか解んねんだよ!
いいから大人しくしてろぉ!」

「!」

強盗はカルタちゃんを捕まえたが、すぐに服だけになってしまった。
残念。一番人質にとっちゃいけない相手捕まえちゃったねー
なんせカルタちゃんは

「な な な・・・!」

『私に・・・・・・さわらないで・・・』

がしゃどくろだからね。
巨大な骸骨(カルタちゃん)を見た強盗は失神してしまった。
お化け屋敷ってホントだったのか、と呟きながら。

そのあとはもう一人の強盗犯と一緒に警察に連行してもらった。
まったく、人騒がせな連中だったよ。
・・・もう一人の強盗犯を引き渡しに来た双熾の顔がうれしそうだったのはなぜなんだろう。
明日聞いてみよう。
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