それを運命というのなら

□第一話 新しい入居者
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優万side

みんなと別れて珠乃と二人で空中庭園を散歩していた。
残夏と会えないで寂しがってたから少しは気がまぎれるだろうと思って連れてきたけど、あたりだったな。
心なしかさっきより顔色いいもん。
あたしもここら辺でゆっくり昼寝でもしようかなあ
って思ってたらいきなり隣にいる馬鹿が騒ぎ出した

「そーちゃん?そーちゃんだよねあれ!?」

うるさい。しかもテンション高い。・・・え?双熾?
珠乃が指差す方向を見てみると確かに双熾と思われる銀髪が見えた。

「ん?あ、本当だ双熾だ」

「そーちゃん!久しぶり!」

そういって双熾のほうへ走りだす珠乃.
あ、食後に走ったらおなか痛くなるでしょ!
まったく、落ち着きがないんだから。

「ちょっと走らないの!・・・久しぶり、双熾」

「・・・!お久しぶりです。ご無沙汰しております黒神さん、桃鬼院さん」

相変わらずというか、ドライだよね双熾って・・・。
てかなんで双熾がここにいるんだろう?
SSの制服着てるけど新しい入居者が来るからそのSSでもする・・・とか?

「どうしてそーちゃんがここに?」

「明日から新しく入居される方のSSを務めることになりまして僕もこちらに今日引っ越してきたんです」

ああ、やっぱり。
新しい子が来るのか。また妖館が賑やかになるなー、少し楽しみだ。

「・・・その子っていつもそーちゃんが言ってた子?」

「はい」

「そっか。よかったねじゃん。まあ、また相談事あったら言ってね」

「はい。いつもありがとうございます」

・・・何の話?相談?双熾いつの間にこの子にそんなことしてたの?
何か一人だけ仲間外れ感が・・・
ちょっと、ジェラシー
・・・ってなんであたしは双熾に嫉妬してるの!?いくら妹みたいに思ってるからって何考えてんのあたし!?
駄目だ駄目だ、これじゃシスコンじゃないか。

「ボク達はもう行くよ。じゃ明日からよろしくねー。行こう、優万ちゃん」

「え、うん!じゃあ同じSS同士よろしくね双熾!」

「はい。よろしくお願いします」

あたし達は屋上庭園を後にしてラウンジへ戻って行った。
そのあとは何事もなくいつも通り、普通に過ごした。

夜、珠乃と別れて自室に戻るとあたしはすぐさまSSの制服を脱ぎベットに倒れこんだ。
双熾がここで働くなんて思ってもなかったな。
幼馴染、これで全員ここにそろったわけか。まあ約一名いつもいないし、二人今いないけど。

・・・そういえばあいつ、今度はいつ帰ってくるんだろう?
心配いらないだろうけど元気にしてんのかな。
全然連絡もしてこないし、いったい何してるんだろうなあ。

・・・寂しい

・・・会いたいなあ

・・・・・・・ってちょっと待て!あたしは今なんて思った!?
あいつに会いたいなんて何考えてんのあたし!?
あんな、あんなへ、変態に会いたいなんて!
しかも寂しいとか!ありえない!あたしがあんな変態に会えないで寂しいとかありえない!
あれだ、きっと珠乃のが伝染たんだ、うん!
もっと別のこと考えよう。あんた変態のことじゃなくてもっと違うこと。
双熾がさっき言ってた新しい入居者のこの子こととか考えよう。
新しく来る子、どんな子なんだろう。てか女の子なのかな?それとも男の子?
年上ってことも考えられるし・・・
色々考えてたらだんだん眠くなってきた。もういいや今日はこのまま寝てしまおう。

新入居者、会うのが楽しみだなあ。
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