ふみ
□気持
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『キリュ…』
………………
『朝だよ、キリュ…』
「ん、…ふぁぁぁっ…」
僕は、欠伸をしてほどよいスプリングの効いたベッドの上で上体を起こした。
『おはよう。キャンさんだよ…解るね?』
「はい、ドクター。…眼鏡が似合って、低身長、それでいてギターも下手…」
『うん、わかってるよ』
「!?」
ドクターは一言発すると優しく僕の身体を抱き寄せた。
本当だったら何か感じるのだろうか…
『何故、愛が解らないんだろう…ね。…キリュ、ごめん』
何で謝るんだろうか。
「ドクター、謝らないで?…僕、そんな言葉聞きたくないよ…」
僕の首元に顔を埋めて、頭を撫でながら話を続けるドクター
『愛という気持ちが解れば、更に人間に近付いたのに……キリュ。』
ドクター…
「ぼ、僕、ニーハイと同じくらい…ラーメンとかチョコなんかとおんなじくらい…」
『ん?』
ドクターは顔を上げて僕を見つめた。
「…好きになるから!…絶対、ドクターのこと好きになるからね!」
顔が一瞬熱くなった気がした。
『!……キリュ。』
ドクターは瞳を潤ませて僕の頬を撫でた。
『ありがとう。』
オシマイ。