霊感少年

□(後)
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先程は霊であるゴスロリ少女の姿を
跡部も宍戸も見える事が出来たのだが、
また見えるとは限らない。

しかし今捜すのは宍戸だ。

例え見えなくても、
彼女は必ず宍戸と一緒に居る筈である。

目で捉える事が出来ないかもと考えれば、
多少は不安になってしまうが
悠長にしている時間は全くない。


侑「コートに居る宍戸が判らんかったって事は、
あの霊は屋上には行っとらんな」


屋上からテニスコートは丸見えだ。

ただでさえ見渡せる其処に行かなかったという事は
彼女の言う『校内』に屋上は入っていないとなる。


跡「なら屋上から飛び降りというのはないな」

鳳「自殺させるつもりなら家庭科室とか?」


彼処には当然ながら包丁がある。

だが管理はキッチリしている筈だ。

勝手に持ち出させないように、
収納スペースには鍵が掛けられている。


向「技術室にも工具がいっぱいあるぜ」

芥「美術室にも彫刻刀とかあるC」


確かに危険なものは沢山あるが、
どれもこれも確実に管理は徹底されている。

もし呪い殺すとなれば、今直ぐは無理だろう。

そう考えると、
何らかの手を使って自殺に導くと思われた。

では一体どんな方法で?


日「その霊も刃物等が手に入らず、
考えあぐねているんじゃないですか?」

跡「確かにな」


と、なると一番手っ取り早いのは・・・


日「首吊り・・・とか」


サラリと告げた日吉に、皆は固唾を飲む。

怖い考えだが、
それが一番確実であり得ると思われた。
 
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