霊感少年

□(後)
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白石達は顧問に頼み、
その日の練習を急遽休みにして貰った。

遠山にはごねられたが、
彼には言うだけ無駄だろう。


一「信頼されとんかも知れんけど、
オサムちゃん、アッサリ休みにしてくれたな」

小「パチンコに行きたかっただけかも知れんで」


例の交差点に向かう道すがらの会話に、
苦笑か嘆息しか出てこない。

良く言えばおおらかなのだが、
悪く言えば大雑把である。


金「まぁエエやないの」

銀「こんな時は助かるわな」


てくてくと歩きながら話を続けてると、
目的置には直ぐに着いた。


財「撮ったんは彼処からっスけど」

一「俺等が見た写真には、
女の人はあっこの信号んトコに居ったな」


最初に財前が述べた場所から交差点を見るが、
其処には誰も居なかった。

次に信号の間近まで来てみるが、
これも女性の霊は確認出来ないでいる。


謙「此処来たら何や判る思うたんやけどなぁ」


辺りを見渡してみるが、
矢張り女性の霊は何処にも見られない。

しかし・・・

変わらずの微弱な霊気ではあるが、
突如 謙也の背中をゾワリと駆け上がった。

今度のソレは白石も気付く。

2人揃ってそちらに目を向けると、
いつの間にか女性が居た。

財前の後ろに・・・


財「何なんスか?」

金「2人が同じ行動とったら吃驚するやないの」


財前や金色が告げても、
2人の目は女性から離せないでいた。

そのままな状態で、
白石は財前以外の皆を自分の傍に呼び寄せる。
 
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