霊感少年

□黙する(前)
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立海の怒濤の来校で、
財前は柳から「お前は霊感少年だ」と告げられた。

レンズを通して霊を捉えると言われ、
興味津々でアチコチの写真を撮りまくった。

その結果・・・


財「いや〜、オモロいもんいっぱい撮れましたわ」


本日の部活は休みだというのに、
習慣の如く態々部室に集まったメンバーは
数々の所謂心霊写真を見せられて
頬を引き攣らせた。

ぼんやりと写っているものならまだいい。

問題はハッキリと写る血まみれの女の子だとか、
苦悶の表情を浮かべる男性とかである。


金「こんなん、あんま良ぉないんちゃうの?」

一「何や祟られそうやな」


心配気に述べる金色と一氏を無視するように、
財前は楽し気に携帯を操作する。

今見せたのは序の口だ。

財前自身が撮った中でも強烈だと思う1枚がある。


銀「財前が強烈言うと凄まじそうやな」

財「コレっスわ」


財前が掲げるように見せてきた写真は、
どこにでもあるような交差点だ。

交通量は多くないのか、
それとも偶々なのか車は1台も写っていない。

しかし、
歩行者用信号機の傍らに髪の長い女性が居た。

一見するだけでは幽霊とは思えない。

だが微かに足は宙に浮いている。

その女性は長い髪の隙間から、
睨むような鋭い視線で此方を見ていた。

口元には笑みを浮かべて・・・


一「恐っ!」

金「何や判らんけど、
この人めっちゃ恐いやないの!」


座っていた椅子から上半身だけを退けぞらせて、
一氏と金色が叫ぶ。

妙な恐怖を感じる写真に、
小石川や銀は更に財前が心配になる。


銀「供養してやらんとアカンのやないか?」

小「蔵達が来たら聞いてみんとな」


この場にはまだ来ていない四天の霊感少年達を、
皆は待つ事にした。
 
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