霊感少年

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一体いつから其処に居たのだろうか?

音も気配もなく現れた人体模型から、
皆は一斉に距離を取って身構えた。


蓮「全く気付けなかったな」

仁「やのに今は霊気ビンビン高いぜよ」


こうして対峙している今は、
ハッキリと霊気を感じ取って存在を確認出来る。

それなのに先程まで気付けなかったという事は、
それだけこの霊が強いという事だ。


切「あの〜、俺にも見えてんのは何でっスか?」

幸「・・・赤也、本気で聞いてんの?」


何でも何も、
霊と言っても人体模型に憑依してるのだから
見えて当たり前だ。

後輩の馬鹿さぶりに、
先輩達は頭痛がするように呆れた。

と、いつまでも呆れてはいられない。

人体模型が動き出す。


丸「早い!」

桑「なんて早さだよ!」


突進するように突っ込んできた人体模型は、
驚異的なスピードを持っていた。

何とか躱したものの、
この速度で迫ってこられたら直ぐに掴まってしまう


幸「こんな時は・・・行け!真田!!」

真「よし!」


まるで顎で使われるような真田に、
不二は何となく不憫に感じたが
本人は判っていないのか気にした様子はない。

回りも変動がない事から、これは常なんだと悟る。


不(副部長って大変だなぁ)


胃薬を手離せなかった大石を思い出し、
不二はつい憐れんでしまう。

そんな大変な副部長が握る竹刀は、
先と同じように赤く光っている。

動きも早い上に剣に長けている真田なら、
簡単に切ってくれると思っていた。

しかし人体模型も負けてはいない。
 
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