霊感少年

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下僕2号から話を聞いて校舎内に来たものの、
何処へ向かえばいいのか判らない。


幸「何故行き先を確認してから
呼びに来なかった?」

「き、緊急事態だと思ったもので・・・」


低い声で尋ねる幸村に、
教師はビクビクとしながら答えた。

語尾が小さくなっていく所に、
彼が「この状況はまずい」と思ってるのが判る。

今の所 爛れた女霊以外は襲ってこないが、
だからと言って霊が居ない訳ではない。

あちこちに浮遊していたり、
走り回っていたりと数多の霊が居る。

霊感少年達にとっては決して快適な状況ではない。


蓮「会議室から移動したのなら、
先ずは其処へ行ってみよう」


何らかの痕跡が残ってるかも知れないし、
これだけ霊気が充満してれば
期待は薄いが霊気の道筋が追えるかも知れない。

柳の提案に皆は従い歩き出す。


比「人体模型が動いていたという事は、
中に霊が入っていたという事でしょうか?」

仁「断言はせんがそうじゃろうな」


よく授業をサボっていた仁王ではあるが、
彼とて理科室ぐらい行った事がある。

人体模型が元々動く “七不思議” なら、
とっくに気付いていた筈だ。

だから今現在動いているのなら、
今回の騒動で霊が入っているのだろう。

仁王はそう推測しながらチラリと不二を見る。

顔色は悪くない。

狐達が居るからか、
全く影響を受けていないのは良かったと思う。

思うのだが・・・

素直に感謝出来ないのは、
自分が除霊を失敗した相手を倒したからだ。

睨むように見る仁王の視線に気付いたのか、
狐は不二に身体を擦り寄らせる。

甘えるようなその姿に、
不二は微笑んで順に頭を撫でていく。
 
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