霊感少年

□学園奇談 1
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幸「次に呼び出したら必ず来いよ」

千「だから約束出来んばい」


凄みを付けて幸村は言うが、
千歳はのらりくらりと躱す。

この飄々振りは仁王に通ずる所がある。

そんな千歳に文句を言おうと
口を開いた所で「時間切れだ」と柳が告げた。

新幹線に乗り込む立海を見送り、
白石と謙也はホゥと安堵の溜め息を吐く。


謙「千歳〜、自分よぅ幸村に反抗出来るな」

千「何だかんだ言っても優しか男たい」

白「それも自然が教えてくれたんか?」


白石の問いに千歳は頷く。

それに軽い相槌を打ち、
3人は新大阪の駅を離れて行った。





そんなこんなの大阪遠征だったが、
楽しかったと皆は思う。

駅で解散にはなったものの、
何人かは帰らずに
感想を言い合ったりしたりもしていた。

それ程 楽しかったというのに、
次の日の朝に丸井は、
校門で校舎を見上げて固まってしまった。


丸「何・・・コレ?」


震える声で丸井は呟く。

一見はいつもと変わらぬ校舎である。

留守にしていたのは僅か3日なのだから、
そうそう変わられては堪らない。

なのに・・・


桑「おはよう、ブン太」


顔を強張らせて立ち止まる丸井に、
訝しみながら、
登校してきた桑原が声を掛けた。

しかし聞こえていないのか、
丸井からの返事はない。


桑「ブン太?」
 
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