霊感少年

□超特急希望
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忍足謙也は1人で溜め息を落としながら、
夜道を歩いていた。

何故こんな事になったのか?

霊感があるのがバレたのは、
この際 もういい。

ただ・・・


謙「何であの廃屋の事、
あいつに聞かせてもうたんやろ?」


小学生の頃に侑士と2人で行った廃屋。

話の流れとはいえ、
“彼”に聞かせたのはマズかった。


謙「やって、
まさか大阪来る思わんかったんよな」


ぶちぶちと言いながら、
謙也は待ち合わせの場所へと向かう。

最初はバックレようかと考えた。

しかし前回バックレた千歳を、
大阪まで態々度突きに来る相手だ。

ここで逃げたら、
どんな目に合うか判らない。


「よし、よく逃げずに来たね」


満面の笑みで待ち合わせ場所に居たのは、
幸村である。

練習後に、
コッソリと廃屋に連れて行けと告げてきた。

正直 行きたい場所ではない。

内密に告げてきたという事は、
当然 立海のメンバーは知らないのだろう。

仁王や柳に伝えれば、
彼を止めてくれたかも知れないが、
謙也は敢えて伝えはしなかった。


謙「俺もいい加減 腹括らなアカンしな」


前回の合宿の時、
自分がしていたのは逃げ回っていただけだ。

仁王や佐伯の様に除霊が出来る訳でもなし
丸井の様にオーラが見える訳でもない。

侑士と2人で、
何の役にも立っていなかった。
 
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