霊感少年

□(後)
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ピンポンパンポーン

突如掛かった放送に事は大きく動き出す。


『皆、霊力の喰い合いは順調かな?』


仁王と幸村は思わず足を止めて、
スピーカーを睨む。


『もう会った者もいると思うが、
現在霊力の高い5人の生者が来ている』


5人・・・

自分達の事かと顔を見合わせる。


『5人の内誰でもいい。
1人の霊力を奪えば出してやろう』


放送はそこで止まった。

今のはどういう意味なのだろうか?

霊達に喰い合わせていたのに、
「それは止めて生者5人を喰え」
そう言ってるように聞こえた。


「マズイっスよ!」


不良少年が慌て出す。

今までは“皆”で喰い合いだったのが、
標的が決まってしまった。


「兄さん方は完全に狙われるっス!」

幸「フンッ!上等だ。
掛かってくる奴は1人残らず
ぶん殴ってやる」

仁「霊力の無駄遣いはしたくないなり。
幸村、主に任すが構わんか?」


つまり仁王は、
今は除霊はしないと告げている。

それに対し、幸村は不敵に笑う。


幸「あぁ、俺に任せておけ」

仁「俺も出来る事はするがのぅ」


言いながら、
仁王は懐から短剣を取り出した。


「居た・・・彼処だ」

「高い霊力、喰わせろ!」


充満していた霊気が更にザワリと震え、
無数の霊が2人に襲い掛かってきた。
 
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