霊感少年

□占い
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仁王は目の前に座る男を凝視する。


仁「今まで一度も霊を見た事ないじゃと?」

手「あぁ、あの合宿が初めてだ」


仁王の目を反らす事なく手塚は答えた。

そして少し考え込む仕種をする。


手「いや、小さい頃・・・
眼鏡を掛ける前は見えていたかも知れん」

仁「矢張り眼鏡か・・・」


声も聞いた事がないらしく、
合宿の時も姿は見たが、
聞こえてはいなかったとの事である。

手塚は聞こえないが見えて、
越前は見えてないが聞こえて・・・

面白い師弟(?)コンビだと仁王は思う。


仁「話は判った。
いきなり呼び出してスマンかったのぅ」

手「それは構わないが、仁王」


帰りかけた仁王を手塚は止めた。

顔だけ振り返った彼に、
今度は手塚が質問をする。


手「不二は大丈夫なのか?」

仁「・・・心配せんでも必ず守るきに」


答えた途端 眼光が鋭くなった手塚に、
仁王は身体の向きを変え、
真っ向から受け止めた。

因みに此処は都内の喫茶店である。

そこで突然睨み合いが始まり、
回りは興味津々といった様子で、
2人を眺めていた。


仁「自分で周助を守れんのが悔しいのか?」

手「随分と仲良くなっていたな」

仁「おまんがやきもちとは面白いなり」


からかう様な仁王の言葉に、
手塚の眼光は益々鋭くなっていく。
 
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