霊感少年

□名前
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少し緊張した面持ちで担任の隣に立つ不二を見る仁王の目は柔らかい。


不「東京から来ました不二周助です。
宜しくお願いします」


不二はいつもの柔和な笑みで挨拶をする。

それに頬を赤らめるのは女子だけではない。

幾人かの男子も、
惚けた様に顔を赤くして見入っている。

何となくムッとした仁王を担任が呼ぶ。


「仁王、手を上げてくれ。
彼の後ろが不二の席だからな」

不「はい」


仁王の顔を見て、
ホッと息を吐いた不二に幾分が機嫌が戻る。


丸「不二〜、改めてシクヨロ」

不「うん。こちらこそヨロシクね」


仁王の隣の席から丸井が笑顔で声を掛ける。

それに同じく笑顔で答え、
不二は席に着く。


「お前、青学の不二だろ?」

「態々 転校してまでスパイかよ」


朝のHRが終わり、
1時限の授業が始まる短い休憩時間に、
2人の男子生徒が不二に詰め寄った。


不「僕はスパイに来たんじゃない」

「じゃあ、何しに来やがった?」

仁「俺が誘ったからなり」


前の席から仁王が告げる。


「仁王!?何の為に敵を?」

仁「敵じゃなか。周助は俺の仲間ぜよ」

丸「“俺の”じゃなく“俺達”な」


仁王、丸井とレギュラーに言われ、
男子生徒達は口を閉ざした。
 
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