霊感少年

□ストーカー
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気紛れな仁王は、
その日の気分で部活をサボる事がある。

勿論、次の日には幸村から罰練を与えられ、
真田からは鉄拳制裁を喰いそうになる。
(喰いそうであって実際は逃げるが・・・)

今日は、
東京にある手品の専門店にやって来た。

悪戯や詐欺に使う道具は、
大体この店で揃えている。

ただ、店内で物色していると、
時間を忘れてしまうのが困る所だ。


仁「もう、こんな時間か・・・
居過ぎてしもぅたぜよ」


店を出ると、すっかり日も暮れ、
辺りは真っ暗である。

元々人通りの少ない道は、
この時間になると仁王以外に姿がない。

今から神奈川に帰るのも面倒だと思うが、
明日は平日で学校もある。

所々で見掛ける霊達は見ない振りで、
仁王は駅に向かい歩く。


仁「ん?今のは・・・不二?」


仁王が歩く道の1つ先の通りを、
不二が駆けぬけて行った。

仁王は目を見張る。

不二の後ろを追い掛ける男が居た。

生きている者ではない。

不二は霊に追われていたのだ。


仁「不二!!」


仁王は慌てて不二を追う。

既に姿は見えないが、霊の気配を探れば、
ある程度の不二の居場所は判る筈である。

そして運良く、
隠れる様に物陰に蹲る不二を
霊より先に仁王は見つけた。
 
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