霊感少年

□絵本
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ある日の部活後の事である。

着替え終えた切原が声を掛ける。


切「幸村部長、仁王先輩、
ちょっといいっスか?」

幸「ん?どうした赤也」

仁「何じゃ?」


言い澱む切原は俯いていた顔を上げ、
2人を見据える。


切「うちのクラスで今、
妙なモンが流行ってて行方不明者が出たんスよ」

蓮「職員室で騒ぎになっていたな・・・
明日の朝のHRで通達があると思われる」


傍で聞いていた柳が言うと、
切原は彼の知る限りの話をしてくれた。


切「クラスの1人が
古い本を持って来たんスけど、
気味悪い真っ黒な本でした・・・」


絵本のように薄い本には、
5人の少女が描かれていた。

少女達は旅をしているのか、森を歩く。

頁を捲ると巨大な猫が現れており、
次の頁には少女の1人が食われていた。

本には文はなく、イラストしかなかったが
普通の絵本ではあり得ない展開に
切原は驚いた。


切「俺はそこまでしか見てないんスけど、
絵の女って制服だったんスよね」

ブレザーの・・・

切原から出た最後の単語に幸村達は訝しむ。


比「絵本でブレザー姿を描きますか?」

丸「絵本ならうちに一杯あるけど、
そんなのが判る程細かく描かねぇよぃ」
 
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