霊感少年

□序章
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少年は生まれた時から、
不思議な能力を持っていた。

隔世遺伝と言うべきか、
少年の祖母が持つ
死者との交流が出来る能力を
少年も持っていた。

だが、その能力は少年の両親を恐がらせる。

少年は小学校に上がる年に
九州に住む祖父母の元に・・・

捨てられた・・・





霊媒師の祖母は少年に数々の事を伝授した。

除霊や浄霊、
果ては身を守る簡単な結界まで。

成長に伴い上昇する霊力に、
祖父母は心配し
少年に多大な愛情を与えてくれた。

その反面、
少年の両親は我が子を完全に見捨て、
親子の縁を切ってしまう。

そんな両親に反感を抱いたのは、
少年の姉と弟である。

2人は長い休みになると少年を訪れた。

姉は可愛がり、弟は慕ってくれて
少年は姉弟に感謝する。

ある年の夏休みに姉から教わったテニスに
少年は夢中になった。

テニスに集中している時だけは、
少年は己れの能力を忘れる事が出来る。

厳しくも優しい祖父母に育てられ、
休み毎に会いに来てくれる姉弟が居て
少年は幸せだと思っていた。

喩え望まぬ能力を持っていたとしても・・

しかし、少年の祖母が亡くなり
状況は少し変化する。

少年は祖父から
様々な書類に署名させられた。

祖母が亡くなって1年経ち、
年老いた祖父も亡くなってしまう。






少年の生活は・・・


一変した。



 
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