薄桜鬼 長編
□羅刹
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「ぐわあああ!!」
山「!?」
『烝兄!!総兄!!』
沖「なんだろう。普通じゃないよね、あの叫び声は」
ある日、僕と山崎くんがいつものように、美葵をはさんで話していた夜だった。この日は、なぜか、みんなが広間に集められていた。
原「行ってみるか…」
永「そうだな…」
沖「行ってらっしゃい」
平「総司、行かねぇの?」
沖「僕と一君と山崎君は待機してるよ、それに…」
ちらりと美葵の方を見る。
沖「美葵が夢と現実を行き来してるからさ」
原「そうだな、んじゃ、頼むぜ」
そう言って、左之さんたちは、出ていった。
沖「なにもなかったのかな?」
しばらくして、なにも音が聞こえてこない。にしては、左之さんたち、遅くない?
山「それにしても、みなさん、戻られませんね…」
斎「………」
沖「なんか、気味が悪いね…」
そう、僕が呟いたときだった。
永「左之!!」
「「「!」」」
沖「一君、山崎君」
斎「あぁ」
山「行きましょう!」
沖「美葵、起きて!!」
『むぅ………!!!』
さすがは監察方。瞬時に異様な気配を感じたらしい。
沖「気をつけてよ、美葵」
『…人じゃない』
沖「えっ?」
美葵がなにかを言ったように思ったけど、そんなこと気にしてられない。僕らは足を早めた。