薄桜鬼

□猫と猫(っぽい人)
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『………』


えっと、あれって…。


沖「なに?撫でて欲しいの?かわいいね」


うん。間違いない。沖田くんだ。あの、いつも授業中寝てて、でもテストはすごいできて、剣道は斎藤くんと同じくらい強くて、剣道部のエースなんだ。その上、背が高くてかっこいいから、すごくモテるんだ。いつも、土方先生を怒らせてるけど。


そんな沖田くんが、猫と戯れている。なんていうか…かわいい。なんて思っていたら……


沖「ねぇ、なにしてるの?」
『わっ、あっ、あの、すいません!!』
沖「別に謝らなくてもいいよ、美葵ちゃんも猫好きなの?」
『えっ、い、今、美葵って…』
沖「なに?名前くらい知ってるに決まってるでしょ?」
『えっ…』
沖「同じクラスなんだから」
『あっ、さようですか…』


当たり前だよね、うん。何を期待したんだろう。実は、私も沖田くんの事が好きなんです。でも、私なんて全然敵わない。


沖「で、美葵ちゃんは猫は好き?」
『あまり…です、どちらかというと犬の方が好きです』
沖「そっか…」
『あの、すいません…』
沖「猫っぽい人も嫌い?」
『えっ!?』


いきなり、なにを言い出すんだろうと思っていると沖田くんがぐっと迫ってきた。


沖「僕じゃ駄目?」
『えっ!?』
沖「キミが、美葵が好きだよ、好きなんだ」
『えっと、あの、えっ!』
沖「平助なんかじゃなくて、僕にしてよ」
『ちょっと、なんで平助くんが出てくるんですか?』
沖「えっ?キミ、平助の事が好きなんじゃないの?」
『ち、違います!!私が好きなのは、沖田さんです!』
沖「うそ…」
『あっ…でも、本当です!』
沖「…しい」
『?』
沖「嬉しい!!」
『わ、私も嬉しいです』


そういうと、沖田さんはギュッと抱きしめてくれた。


沖「ねぇ、敬語止めてよ。」
『あっ、うん』
沖「あと、総司」
『えっと、総司くん』
沖「うん、ねぇ…」


そういうと総司くんは、私のあごにてをかけた。と、その時…


「ニャア!!」
沖「………」
『あっ、総司くん!!』
沖「なに?」
『ニャア、って言ってほしいな!』
沖「…」
『駄目ですか?』
沖「ニャア…」
『!…か、かわいい』
沖「ねぇ、知ってる?」
『なに?』
沖「猫って、意外に甘えん坊で、ご褒美もほしいんだ」


そういうと…


チュッ…


『総司くん!!』


ニコリと笑った沖田くんにこれからも翻弄されるんだろうなと思いながら、それもいいと思って、沖田くんに抱きついた。
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