薄桜鬼
□妹
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「なぁなぁ、今日、左之の家行って飲まねぇ?」
「お、いいな。いいだろ?左之?」
原「しょうがねぇな、ビール買って帰るか」
「さすが、左之!!んじゃ、行こうぜ!!」
会社の同僚と家で飲むことになった。スーパーでビールを買って家を目指す。
原「ただいま〜」
『おかえり』
「!?…彼女か?」
原「違う、妹だ。」
「左之、妹いたのか?」
原「義理の……だけどな。お、ただいま。」
『おかえり、あっ、家飲み?』
原「おう、悪いな」
『いいよ、別に。こんばんは、妹の美葵です』「こんばんは、失礼するよ」
『どうぞ、ごゆっくり』
そう言うと美葵は台所に向かって行った。つまみかなんかを作りに行ってくれたのだろう。我が妹ながらいい奴だと思う。
「お前の親、離婚してたか?」
原「いや、あいつは施設にいてよ。俺の親父が養子ってことで受け入れたんだ。そういうところで仕事してたから」
「へぇ…」
『左之兄、はい、つまみあげる。』
原「ありがとな」
『うん』
「美葵ちゃんはいくつだ?」
『高校一年生です』
「へぇ!えらいな、しっかりしてて。」
『ありがとうございます。ゆっくりしていってください!』
そういって、美葵は部屋を出ていった。
『……つまみ、追加作りに行くか。』
そう思って、リビングのドアを開けようとした。その時だった。
「でも、正直キツイだろ?」
原「まぁな、我慢することも多いしな」
『……っ』
私に耐える能力があれば変わっていたかもしれない。でも、私は我慢できなかった。左之兄の次の言葉を聞かずに家を飛び出した。