薄桜鬼

□幼なじみの君
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『烝』
「どうした?……またか」『またかとは、失礼だな』


この男勝りの少女は一つ下の学年の俺の幼なじみで、俺の片思い中の相手でもある。


「今日はなにをしていたんだ?」
『さっきの体育でさ、野球してて滑り込んだらさ…』「こけたのか…」
『そう、その通り!よくわかったな。ってことでよろしく』
「座れ」



保健委員である俺はよく、美葵の怪我の手当てをしている。


「美葵はよく怪我をするな」
『うん』



いまだって彼女の腕はお世辞でも、女子高生の腕とは思えないくらい青あざがある。



『でも…』
「?」
『烝がいるから、いつも跳び跳ねていられるんだよ?』
「そうか…」
『心だってさ』
「そうか………は?」



普通に返事をしたが、彼女の言葉に我にかえる。


『き、気にしないで!じゃ、サンキュ……なに?』
「どうやら、俺だけではなかったようだな」
『?』


?を浮かべる美葵を引き寄せて抱き締める。小柄な彼女は俺の胸にポスン、とおさまった。


「……付き合うか。」
『うん……』








「『プッ』」
『ハハハ、なんかうちららしいね』
「そうだな」



クイッ。


『ちょっ…なにすんの……んっ!!』
「美葵、好きだよ」『ばーか、いきなりなにすんの!!』



君はいつものように怒っているけど…

しょうがないだろ?いじめたくなるくらい、大好きなんだからな、美葵。
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