斎藤さん 連載 学パロ

□女子
1ページ/1ページ

「あ、あの…」
斎「なんだ?」
「さ、斎藤先輩のことがすきです。よかったら付き合ってもらえませんか?」
斎「悪いが断る」
「なんでですか?あの、悪いところとか…」
斎「俺に付き合う気がないからだ。もういいか?」
「は、はい」


沖「一君、ひどいね。相変わらずだけど」
斎「気もないのに付き合ってやる必要はない」
沖「だからってあんな言い方しなくても」
斎「また来られても困るからな」
沖「一君らしいね」


女子とは必要以上にしつこくて、どうも苦手だ。一生かかっても理解できないいきものだと思っていた。あいつに出会うまでは。




「斎藤君、頑張ってー」
斎「……」
沖「手ぐらい振ってあげなよ」
斎「……」


体育のマラソンで淡々と走っていた時。前方にいる生徒を抜かそうとしたときだった。


ズシャ…


斎「!…大丈夫か?」
『っ、いってぇ』


前で起き上がった生徒を見てまた、走りだそうとしたのだが…。総司が発した言葉に思わず、振り返ってしまった。


沖「大丈夫?また派手にこけたね、美葵ちゃん」
斎「!?」
『あ、総司。大丈夫大丈夫このくらい。ほっときゃ治るって』


衝撃をうけた。まさか、こけたのが、女子とは思わなかった。
短く切られた髪、女子だというのにかなり日焼けをしている肌。そしてなんと言ってもその口調。すべてで俺の中の女子のイメージをくつがえした。


『斎藤?』
斎「!?」


まただ、また。初めて女子に呼び捨てにされた。


『あはは、なにその顔。変な奴!!』
沖「君に言われたくないでしょ」
『ひっでぇな、おい』
沖「もう少し、女の子らしくしたらどうなの?」
『あーあーあー、聞こえない聞こえない。』
「沖田、斎藤、夏目!!さっさと走れ!!」
『はーい!んじゃ!』
沖「あ、美葵ちゃん!」
『なに?』
沖「今日、一緒にお昼食べない?」
『あー、うん。大丈夫。いいよ』
沖「じゃあね♪……一君!!いくよ」
斎「あ、あぁ」


沖「一君、びっくりしたでしょ?」
斎「なにがだ?」
沖「美葵ちゃん」
斎「!!…あぁ」
沖「僕も女の子は苦手なんだけどさ、あの子は平気なんだよね。」


俺ほどではないが、女子が苦手な総司が平気。無意識に彼女のことを考える自分がいた。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ