めいん1

□過負荷少女の小さな恋6
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「それで、今度はどんなご用件ですか?また迷子ですか?」

相変わらず球磨川さんはよくわからない笑みを浮かべている。

「『もう』『まいちゃんったら!』『君がまた会いたいって言うから会いに来てあげたんじゃないか!』」


……それはありがとうございます。

てゆうか私はあのときどうしてあんなことを言ったのだろうか。

「『まぁ、ただ単に夏休みだというのに学校の廊下に大の字で寝転がっている女の子がいたからね』『ちょっと気になって見に来たって訳さ』」

「…私も好きで寝転がっている訳ではないですよ」

つい心の中の声が漏れてしまった。

しかしそれは華麗にスルーされ、球磨川さんはそのまま続けた。

「『さらに血まみれと来たもんだ』『流石の僕もびっくりしちゃったよ』」


「え?」

血まみれ?やっぱりさっきのは本当だったんだ。じゃあ、なんで…

「『だからね』『助けてあげたんだ』『いや、助けるなんて過負荷の僕には向いてないな』『うん、そうだね』『《なかったこと》にしてあげたのさ』」


この人は、何を言ってるんだ?

なかったことにした?

私の怪我を?

どうやって?

私の頭にたくさんのクエスチョンマークが舞っている。

「『まぁまぁそう焦んないでさ』『まずはどうやって?から答えてあげよう』」

球磨川さんは勿体ぶるように間をあけて言った。

「『それは僕の過負荷、《大嘘憑き》を使ったのさ』」

「オール…フィクション…」

私は呟く。

この言葉はどうやら聞こえたようだ。
球磨川さんは続ける。

「『そう、大嘘憑き』『全てを虚構、なかったことにできるスキルさ』」


全てを、なかったことに。

不思議な話に私の頭は追い付かない。

「『ほら、昨日の終業式で言っただろう?』『-十三組のこととかさー』」

……そういえば言っていたような…。


私が必死に思い出そうとしていると、急に球磨川さんは笑いだした。
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