私は男のようです。帝光編
□三度目の行方
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「それじゃあ明日はエプロン忘れないように」
先生が言い終わる前にガヤガヤとなる教室
終わりの挨拶は終わっていたからか、先生は気にすることなく退出する
明日は調理実習だ
作るのは定番のマフィン
一人につき6つ
「え、片岡んちって定食屋なの?」
初めての調理実習ということで料理の話をしていると、まさかの事実
どうやら片岡の家は定食屋を経営しているらしいく、たまに手伝っているとか
山本と中田のテンションが上がる
「お!じゃあサービスしてくれよ!」
「次の男子会は片岡んちで決定!」
「俺んち潰す気か」
「つか男子会ってなんだよ……」
片岡の家の心配よりも気になりつっこむ
男子会とは何をするのだ
あま〜い話をする女子会の男子版か
想像すると女々しくて気持ち悪いことになってしまった
そう思っていたのにいまだにテンションの高い二人はキョトンとした顔
「することは一つだろ」
「橙堂の男運の話で盛り上がるんだよ」
「そういうことかよ!つかそのポーズはなんだ!ムカつくなぁ!」
二人が男子会と称しているものは恋バナなんて可愛らしいものをすることではなく、俺と黄瀬または緑間との事件について話すことらしい
話のネタにされることにも腹が立つというのに、追い打ちをかけるように二人はどこぞの特撮系ポーズをする
「そもそもあれ以来なんもねーし、面白いこともなんもないわ」
そういうと異様にテンションの高い二人以外のやつらも反応する
結局皆楽しんでるのかよ
片岡が確かめるようになにもないのかと聞いてくるが残念、なにもない
嫌われたままも悲しいが、なにもないならどうすることもできない
このままお互い干渉しないまま三年間を過ごすことになるだろう
「でも、嵐の前の静けさって言うよね」
「そんな冗談やめようよ」
男の中の癒しである森くんがいう
森くんが言うと本当のことのようで怖い
嫌われたままが嫌とは言ったが嵐になるくらいならなにも進展がないほうがいい
「二度あることは三度あるともいうしあと一回ぐらいなんかあんじゃね?」
「三度目の正直ってものがあるんだよ、佐々木くん」
「それ三度目あるって認めてんじゃん」
「……うわあああああ」
意外にも頭のいい山本につっこまれてしまった
ムカつくがその通りだ
とりあえず一発山本を殴る
「つってもこれ以上なにがあるんだか」
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