Real Doll 〜人形の夢と目覚め
□間章1『風光』
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「…気になるのか、鈴木?」
「まぁ、子供いるんで。まだ小さいですけど」
「俺も気になるな…」
休憩時間に新聞を読んでいると、夢木警部が話し掛けてきた。
一応先輩だが、仲のいい人だ。
僕は昇進して現在警部補であるが、あまりそんな気はしない。
夢木先輩も然り。
肩書きだけだ、凄いのは。
「今20人だよな、確か」
「はい。どうしてこうも続きますかね…。死ぬくらいなら殺せばいいのに」
「警察のセリフじゃねぇな。でも、昔そういう奴がいたな…」
「あの事件ですか…俺もよく覚えてますよ」
「だってあれ、お前の同級生だったんだろ?」
「はい…」
それは、5年前のこと。
僕は30歳だった。
『お前らが俺の人生を狂わせた!!
だから俺がお前らの人生を台無しにしてやる!!
お前らの幸せを奪ってやる!!』
そう叫んでいた声は、未だに耳に残っている。