L'Imperatrice

□Who are you ?
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「ベラ ドンナはなァニ一人で想いに耽ってんだァ….…」







次の日の朝






天気は人々の気分と共にレガーロ晴れ






なのに、私の心の中は……






「べ、ベラ ドンナって……」







人に知られたくない自分の黒を必死に抑え殺しながら、







私に声をかけてくれたデビトに冗談混じりな呆れ顔を見せた






何も不自然じゃないように、ニコニコと







「……可愛い子チャンは嘘が下手ダナァ……」







しかし、私の完璧な演技でも、デビトには敵わない







なんせ、12年の付き合いだ





デビトに……




いや、あの3人に隠し事なんて、無理にもほどがある、というところ







「ヴォーチェ、オマエには休憩っつーモンが必要ダァ……」





ぽんっと自分の肩に重みを感じたと同時に、






振り向いてみるとデビトの顔が真横にあった





それについつい変に意識してしまい、顔がみるみると赤くなっていく





「……っ!」





そんな自分の顔を必死になって隠そうとする私を、






面白がって見ている彼





「……、まあ…少しは休憩も必要かしらね…」






素直にありがとうと言えない自分を腹立たしく思いながら、曖昧な返事をする






「オイオイ…、素直じゃねーナァ……ヴォーチェちゃんヨォ…」






ハハハっと陽気に高笑いをして、親指を立てたと思ったら、後ろの方にそれを向けた







「…、ルカ……」





それに反応して振り向いてみると、そこにはルカとパーチェが立っていた






「ちよっ!ヴォーチェ……!俺の事も忘れないでよ…!」





「ぱ、パーチェっ……!押さないで下さいよ!」






楽しそうにじゃれ合う二人の微笑ましい光景に、思わず呆れた





「貴方達、何歳よ……」






そして、立派な大人がそんな事やって……、と小言を漏らした






「ヴォーチェ、オマエに休息を与えてヤロウって言い出したのは、あのヘタレ従者ナンダゼ…?」






礼はオレじゃ無くあいつに言え、とでも言うように、苦い笑いを見せてから、ルカに技と聞こえるようにしてこう言った







「ヴォーチェ…、それじゃあ今から、オレのカジノに来て遊びに来いヨ……、

勿論、その後のメインディッシュも待ってるゼ?」





どうやらデビトは私をカジノに連れて行ってくれて尚且つご馳走もしてくれるらしい、のだが……





イマイチ素直に喜べない





と、その時、




横から手が伸びて来たかと思うと……






「デビトっ……!ヴォーチェをカジノに連れて行くのは構いませんが、

メインディッシュは必要ありません……!!」





そう怒ってきたルカだが、ルカが何故怒っているのかも、私には分からない






自分がどれだけ無知なのか、という事に改めて気付いた








「……っ」






何だか、悔しいな……






「ほぉら、ヴォーチェ!そんな暗い顔してないで!俺のお勧めのバールでラザニアでも食べれば、そんな気持ちも直ぐ吹っ飛ぶよ」







明るく無邪気にそう話すパーチェには逆らえない







……でも、それがまた、嬉しかった……
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