L'Imperatrice

□Who are you ?
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「っん……」





手首を回しながら、大きくあくびをする





それからはずっと、


「吸ってー吐いてー」の繰り返し





「本当、」





「面倒くさいことする……」













ーーあの日、残された紙ーー


『待ってるから』




その手紙に書かれた文字




未だにこれが何を指しているのか、全くといって良い程検討がついた試しが一度も無い




でも、何故かその6字に愛着心が湧いてしまう









無知な私にとって、この感情とメッセージは、単に疑問としてしか捉えられなかった




「……」




何で、
分からないんだろう……














私にはきちんとした過去があって、




それを1番知っているのは、私のはず






いや、そう信じたい




……だけど……






何でだかお前は自分の過去のことを、実は全く知らない、




といわれたとしても、




どうしてもそれを否定することはできない気がする








「……疲れたよ……」





小さく弱音を吐く




これは稀ではない




最近妙に弱音を吐くことが多くなった気がする





皆の前で変に大人ぶって、



自分の命を奪おうとしている奴がうじゃうじゃいるここで全身にいつも気を張って、






気分転換にファミリーの全員に内緒にして酒を飲みに行っては酔い潰れて




でもそれを誰にも相談することは出来なくて、





その分もっと、




苦しみ、




悲しみ、




苛立ち、





疲れが積もり積もって、自分の中でパニック状態を起こすのだった





これはいつもの事





でも、

いずれか誰かにこの悩みを分かち合える人が出来たら……と、




密かに思う私がいる





「誰か、いないのかな……」





小さい頃みた、運命の王子様……
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