L'Imperatrice

□〜A confortable smile〜
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あれから私は、ぐっすりと眠りについた




まるで、まだ小さい子供かの様に




































「今日は珍しく遅いお目覚めですね、ヴォーチェ」





ふわぁ、と漂ようコーヒー豆の良い香り



朝にはぴったりだ






「おはよう、ルカ……」




まだ閉じていたい目を必至に開けては、




ぱちぱちと瞬きをする




「良く眠れました?」





見るだけで暖かい気分になる笑顔を私に振りまくルカ




「おかげさまで、ね」





そんな彼につられて、




私もふふっと笑った














彼が朝ごはんに用意して貰ったものは、





カップチーノと、クリーム入りのコルネットという、至ってシンプルな物だった




でも、いつもみたいに嫌いな物が一つも入っていない




昨日までなら、


“好き嫌いは駄目です”


と、



“食べたく無い、”





のやり取りが30分程続く




きっと彼は昨日の事も心配して、あまり私に朝から負担をかけたくなかったのだろう





「美味しい……」




小さくそう呟く私に、彼は微笑ましそうに目を細めて、




「そうですか、良かったです」













たまには息抜きも良いかもしれない




毎日体のレーダーを全てビンっと張って、



誰かが自分の命を狙ってるんじゃないか、



とか気が気でなくて……




でも、



誰かのそばにいると、物凄く安心する




「本当に、ありがとう……」
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