L'Imperatrice

□〜*The very first step*〜
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「ねぇねぇ、フェル」


「え……?」


フェルが住んでいる小さな家の直ぐ近くにある、


大きなお花畑


今日は、久しぶりにフェルに会った記念として、



姉妹二人でお出かけに行くことにしたのだった



街で買ってきた大量の物



全てフェルのお付き人……



そして私の幼馴染でもある、



ルカに持たせているから、後は任せてここに来たという訳



「このお花、綺麗だね……」



感心した様にして、私はそう呟いた



そんな私に呆れたのか、フェルは一つ大きくため息をついて、



「ヴォーチェ、本当に呑気……ルカは良いの?」



心配そうに、そう、遠く遠くの街を眺めちいる私の妹



こういう時、少し思う



フェルは何でこう、いつも真面目なのか、って



本当にこれでも兄弟なのだろうか?



時々こう、ふと思うのだった



こんなにも性格が違う姉妹なんて、あまりにも可笑しいんじゃないかって


「何だか……フェルがお姉ちゃん見たいだね……っ」


アハハっと一人で笑いながら、お花を摘みとる私


一方、そんな愉快そうに笑う私を眺めている張本人、


フェリチータは、引きつった顔で私を叱ってきた


「そんな事言ってる場合じゃ無いでしょ……!剣のセリエを担う幹部長なのに……」



ポツポツ口から文句を漏らしながらの妹に怒られている私は、


かなり幼稚なのかもしれない



「いずれかは……フェルの物になるんだけどね……」



広くて、開放感があり、



爽快感も得られてとても気持ちのいい野原に横たわりながら、



そうポツンと呟いた



何だか、本当に自分より妹の方が大人の様に感じられて、


 
変な所で対抗心が湧いてしまったからだ



自分は一応フェルよりも8歳年上なんだぞ……って、



フェルが知らないことだって一杯知ってるんだぞ……って



自分に言い聞かせたかったのだ



馬鹿だな、私



そう心の中で思ったと同時に、



誰かさんのドでかく、慌てた声が野原一面に響き渡った



「「お、お嬢様方ぁ〜!!」」


今にも泣き出しそうな、そんな声



自分は置いていかれたんだ、とかなり落ち込んでいるらしい



そんな彼に目を向けるやいなや、


クスッと笑みがこぼれ落ちた



そして、フェリチータの腕を軽く引っ張って、



「そろそろ、帰ろっか」


ルカも心配しているだろうし、と付け足した様にして目で訴えた



フェルも呆れた様な顔をしつつも、それに気づいたらしく、


無言で立ち上がり、


今行くっ!と大声を張り上げながら、
ルカの方へとかけて行った


その時ふと、寂しさを感じた私は、パーパやルカと同類に入ってしまうのか、


と少し不安に思いつつも、私は彼女の背を追いかけた
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