佐伯孝正 短編
□作成中
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午前3時…
「…送信っと…」
売れっ子脚本家である佐伯は満足のいく仕事が一つ終わりぐっと腕を上げて伸びをする。
「んーーーっ。眠い」
そう言って書斎の電気を消すと空になったコーヒーカップを台所で洗った。
「さてと、ハニーを抱きしめながらゆっくり寝ようかな♪」
寝室の扉を静かに開き思わず微笑んでしまう。
寝室の電気は消えベッドには愛しい彼女が布団に丸まっている。
今日は寝相がいいな。
そんな事を思いながらベッドに入り込むと名無しさんをギュッと抱きしめる。
「…ん?」
佐伯は違和感を覚え背中から抱き込む様にして回した手をそっと名無しさんの額に手を乗せる。
「なんて熱だ…!」
いつも体温の高めの名無しさんだったが今日の名無しさんは異常な程熱かった。
佐伯はガバッと体を起こすと横向きに寝ていた名無しさんの体を上に向けもう一度額に手を当てる。
手から伝わる熱は明らかに高熱を物語っている。
名無しさんの顔を覗き込めば少し呼吸も荒く、頬も赤くなっている。
佐伯は急いで薬箱から冷却シートと体温計を持ってくると名無しさんの看病を始めた。
冷却シートをそっと貼れば少し名無しさんが気付いた様に目を開ける。
『佐伯…さん…?』
目は少し赤くなり