シャーマンキング 小説

□ホロ恋
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オレは自分の感情にはかなり素直だ。

感動したら我慢せずに泣くし、ムカついたらストレートにぶちまける。

直情型だとか短気だとも言われるが、オレは自分の感情を押し殺してうだうだ悩むのは嫌いだからこれでいいと思ってる。

…思ってたんだが、最近は情けないことにうだうだ悩みっぱなしだ。

でもこればかりはストレートにぶちまけるわけにはいかねぇ。

男のオレが男の葉に惚れてるなんて!




葉を恋愛の対象として見るようになったきっかけはシャーマンファイトでアメリカに行った時のことだ。

パッチジャンボが消えて上空に放り出されたもんだから焦ってもうだめだってなった時に突然葉に殴られた。

当然、ムカついたさ。葉のヤロー、いきなり何しやがる!って思ったのに…

死への恐怖でパニックってたオレに葉は

なーに、心配する事はねぇきっとなんとかなるって、ホロホロ

と、いつもの通りユルさでオレの緊張を解いたんだ。

この時、葉がオレに向けた笑顔がいつまでたっても頭から離れない。

今ではまっすぐ葉の目を見て話すことすらままならない。

ホント、なさけないなオレは…




「ホロホロ!こんなとこにいたんか。こっちでまくら投げしねえか?」

「…!!あぁ、楽しそうだな。オレもいれてくれよ」

…やっぱり、駄目だ。

目もあわせられねぇし、今のは不自然だったと思う。

あぁもう!なにやってんだよオレは!

とにかく、妙な気分を紛らわせよう。

そう思って葉やまん太、連、竜たちにまじって馬鹿みたいに騒いだ。

「捕まえたぜ葉!これでよけられねぇだろ。」

オレは葉の上に乗っかって枕を振りかぶったところではっとした。

この体勢はまずい(オレが)。

「…わっ悪ぃ…」

変な気を起こしてしまう前にと思って、すぐさま葉から離れたがこれはかなり不自然じゃねぇか。

「ホロホロ、前から思ってたけどお前最近、変だぞ?」

最近っていつからだ?いつから気づかれてた?

「…変じゃねぇよ。いつもと同じだ」

「オイラに何かあるなら言ってくれ!ホロホロがよそよそしいのは嫌なんよ。」

言えるわけねぇよ。言ったらお前、引くだろ。

気持ち悪いって思うだろ?

いや…葉がそんなこと言うわけねぇか。

けど、友達としてさえ接しくれなくなるだろうな。

「何でもねぇよ!そもそもオレはいつも通りだ!」

「……」

「……」

なんか、もう訳わかんねぇ。

自分が今、何を口走ってんのかも…

葉は心配してくれてるのにな。

「おいおい、どうした?葉の旦那、ホロホロ、喧嘩か?」

「もう夜遅いし、寝ようよ。これ以上騒ぎ続けたらアンナさんに怒られるよ?」

「夜更かしは体に毒だ。電気消すぞ。」

こいつら気を使ってくれてんのかな。

正直、助かった。

もう寝てしまおう…
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