サディスティック・スノウ
□十話 お先真っ暗…?
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私はじたばたして離れようともがいた。
『ちょ、ちょっと!
どうして沖田隊長の部屋へ荷物抱えて行かなきゃいけないんですか!?
いつも通り客間を借りるんで大丈夫ですっ!!
それより私、今から銭湯へ行こうと「さっき、土方さんから直々に、大串総一郎は一番隊隊長の小姓になったんでィ。
小姓なら隊長の側から離れんな。以上。」
『ちょ、聞いてませんからそれェェェ!!』
何で!?
何でこの人の小姓に!?
無理だ!絶対に無理!!
こんな暴虐な上司に付くなんて無理だよ!!
私は何とか沖田隊長の魔の手から離れ、荷物抱えて走った。
『土方副長に苦情いってきま…。』
ガチャン。
走って二、三歩しか踏み出して無かったけど…
私はそれ以上の歩行はできなくなった。
『ぶべぁっ!!』
ガチャン、と言う音の正体は、手錠の音。
しかし、本来の使い方とはかけ離れていて…
両足に金属製の輪が掛けられていた。
両足を拘束された私は、荷物を放り出して前のめりに派手にすっ転んだ。
『き、鬼畜!!』
「はい連行ー。」
そして、連れて来られてしまった沖田隊長の部屋。
両足の錠はまだ外してくれないので、
部屋に蹴り飛ばされるようにして入れられた。
まるで強制収容だ…。
でも、さっき転んだ時、今蹴られた時…不思議と痛みは無かった。
これも雪晶石のせいか…。
だからといってどんどん蹴って下さいとかは言わないけどね!?
顔面に感じる畳。
両足拘束されてるだけで、起き上がることも難しい。
時間をかけて何とか起き上がり、私は文句の一つでも言ってやろうと沖田隊長を睨む。