サディスティック・スノウ

□八話 絶対に
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何かおかしな行動を取れば、すぐさま斬ろうと思った。



奴が真選組隊士として入隊すると、俺は強引に摘発へ連れ出し、殺気の正体を明かしてやろうとわざと一人きりにした。


奴はどうせ、刀ならへし折る位硬いから、死にやしねェ。



そして、一人きりになった神崎…いや、大串を廃ビルの陰から監視した。


すると、暫くして運良く(悪く?)浪士が一人、大串に襲いかかった。


降り下ろされる刀。


奴なら死ぬことはねェだろう。


しかし、大串は斬られた直後、倒れた。


…まさか、死んだ?


いや、死んだとしても、雪晶石を無事に回収出来ればこっちのモンか。

そんなことを考えていると、
 

大串は立ち上がった。


生きてた。

しかし、えらく様子が違ェ…。


真っ黒だった髪は白く、同じく黒かった瞳は暗いマリンブルーに変わっていた。



……何でィ、アレ。


いや、誰でィ、アイツ。


浪士はパニくって失禁しそうな勢いだ。

対して、大串は…いやもうアレ、大串と呼べんのか分かんねェけど、
…余裕綽々。


そして、拳を浪士の顔すれすれに突き出し…


ピキッ、ピキピキッ



浪士は薄い氷のコーティングを施された。


「何だ…?アイツ…?」


ボソッと思わず声に出してしまった。



その声に気付かれたかどうかは定かじゃねェが、

奴が俺にも聞こえるように大声で言い出した。





『おい!さっきから隠れて見てんの知ってんだよ!
出て来ねェと、辺り一帯北極圏にすっぞー!!』






どうやら最初からバレバレだったようで。
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