サディスティック・スノウ
□五話 良策現実に苦し
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「…。」
総悟さんは折れた刀を見つめて驚いてる。
いや、この場にいる人達全員驚いてる。
「え?だって…今、隊長…斬ってました…よね?」
「俺にもそう見えた…が。」
現に、私の首は繋がっていて、反対に刀が折れた。
この場にいる全員は、信じられないことに気付いた。
・・・・・・・・・・
今の私は、刀をへし折る位に硬い。
『……え、えっと…あの…。』
生きていた事は嬉しいけど、私はどう言葉を出せば良いのか分からない。
「これも、雪晶石の影響か…。」
「どのみち、彼女を殺す事は出来ませんね…。」
土方さんとザキさんは不安半分、安堵半分な声色で言った。
しかし、総悟さんは…。
「………チッ。」
折れた刀を仕舞い、舌打ちをひとつして会議室を出ていった。
『っ……。』
私は膝から崩れ落ちて、腰が抜けた。
もう、色んな事が有りすぎて混乱してきた。
分からないよ。
何で…
何で私がこんな目に遭わなきゃいけないの?
私はただの…モブ…。
「ちょ、おい!?」
土方さんの声を最後に、
私は気を失った。