ゆきうさぎ
□7章 殺せない
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「しない。
俺だって寝るときはしっかりとふかふかのベッドで寝たい。
おやすみ。」
『…一晩中歯ぎしりしようかな。』
ばふっ。
枕が顔面に飛んできた。
痛くはないけど。
「何か言った?」
『何も。』
でも枕は回収。
少しでも安眠したい。
私は回収した枕を使って横になる。
枕無しよりはいくらかましだった。
「………。」
『………。』
お互いの寝息も聞こえない。
ここはベッドの斜め下だから、ベッドの上は見えない。
けど、神威提督がまだ寝ていないことは分かる。
『寝ないんですか?』
気付いたら、声をかけていた。
「…寝るよ。」
『でも、寝てないじゃないですか。』
「そう言うさくらもネ。」
『…私が、居るからですか?』
もし、本当に睡眠の邪魔なら、出ていこう。
そう思って聞いた。
「…違う。」