サディスティック・スノウ

□十六話 気づかなきゃ良かった。
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風呂で逆上せた。


餓鬼か、俺は。



体が重いし、茹だるように熱いしで何やってんでィと自分に突っ込みを入れた。



そして、倒れた俺を見つけた奴がまた悪かった。

この時ばかりは土方コノヤローの方がまだマシだったと思う。


神崎。


俺を見つけた途端、うるせぇって位俺を呼んで、運ぼうとしたが、力が足りなさすぎて断念。

バカだ。


その後は…とにかく熱いわ気持ち悪いわで殆ど覚えてない。


本当、何やってんだ。









イライラする原因

気づかなきゃ良かった。



そう、後悔したところで、
一度道順を覚えてしまった迷路ほど楽なものはない。


俺の中で原因を探せば、答えには一秒とかからない。






俺は、神崎を調教してェんだ。

俺の小姓として、誰の言うことも聞かない、立派な犬に。




だからだ。
土方さんについていって、そのまま仕事だの何だのって、土方さんの言うこと聞いて。

そいつに指図していいのは俺だけだ。


何せ、神崎は俺の小姓(犬)だ。




自分の気持ちに気づいた瞬間、神崎をどう調教しようかばかり考えてしまった。


ここでは書けねェような事も結構考えた。



とにかく楽しみだった。
新しい玩具を手に入れた子供のようだった。


弱音も泣き言も中々言わねェ、
刀で斬れば刀自身が折れる、
常に別人格の殺気が出ている等々…
一風変わったモブ女。


面白そうだ。





その為には…やっぱり片時も離れさせない様にしねェと…。

またいつ土方コノヤローがアイツを仕事だの何だのって連れ去るか分かったもんじゃねェ。



そうだ…ずっと…


そば…に…。






行くな、神崎。

俺から、離れんな。
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