サディスティック・スノウ

□十四話 レッツゴートゥーバスルーム
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私は気が付くと、隊長の部屋の押し入れに寝かされていて、
いつの間に寝ていたことに真っ青になった。


『うわぁ…。』


これ、絶対に沖田隊長に迷惑かけた。


押し入れの戸をそっと開けて、沖田隊長の存在を確かめた。


…居た。

出来れば今は会いたくなかった…。


気まずくじっと見ていると、隊長は私に気づいた。


「やっと起きたのかァ?えらく爆睡してたようで」


『…スミマセン…。睡眠不足なもので…』


私は大人しく押し入れから出た。


「夕飯の時間、とっくに過ぎてるぜ」


『え』



た、食べ損ねた…。


スマホの時計を見れば、もう八時。
お風呂入って寝る時間。

私、すっごいぐっすりだったんだな…。



『女中さんに頼んで何か残り物貰ってきます…』


「おー」


とにかくお腹の空いていた私は眠い目をこすりながら食堂へ歩き出したのだが…。



途中の廊下で土方副長に会った。


「やっと起きたのか?」


どうやら、私が今まで寝ていたことは知っているらしい。


『…ええ、まあ。ぐっすりと』


何となく気まずい。


「男所帯で緊張してたのが今頃解れたんだろ。
無理すんな」


と、私の頭に手をポンと置いた。


『…でも、迷惑かけるわけにはいきませんから。
ほら、大串くんはここの隊士ですし』


「…そうだな」


土方副長はふっと笑った。

煙草を一本出して、火を付けた。




「で、一人で何処行くんだ?」


『あ、食堂です。
お夕飯食べ損ねちゃって』


「どんだけ寝てたんだよ」


突っ込まれた。

デスヨネー。私だって思ったもん。
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