サディスティック・スノウ

□十二話 前見て!前!
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真選組隊士生活二日目。


時刻はお昼の十二時ちょっと前。
私はパトカーの後部座席に乗っていました。


パトロールに駆り出されたんです。


何故だ。


運転席には沖田隊長。

昨日も思ったけど、運転免許有ったのね。



『後何分位で帰るんですか?』


「このまま何も無きゃ三十分。」


『コレって何かあるフラグですね。』


こんな感じのだらけた会話。

私は何も無いことを祈りつつ、大人しく座っていた。


しかし、フラグは回収されてしまったのだった…。











キキッ!


沖田隊長が急ブレーキをかけた。


『うおっと…。』


私は前のめりになったけど、何とか耐えた。


『どうしたんですか?』


「事故だねィ。」


事故!?


「通報される前だった場面に偶然出くわしたみてェで。」


『ええ!?』


私は窓から身を乗り出して正面を見た。



本当に事故だ…。


乗用車が原チャリにぶつかったらしい。
原チャリは倒れて傷だらけのヒビだらけ。

乗用車もかなり大きくへこんでいた。


ヘルメットを被った原チャリの持ち主らしき人と、乗用車の運転手らしき人が道端で言い争っていた。


『………………。』


ってか、原チャリの人…すごく見たことある。

冷や汗が出てきた。


沖田隊長は言い争う二人の近くに車を停めた。


「万事屋の旦那。」


「お。沖田くーん!
聞いてくれよォ!このアホなドライバーが俺の原チャリにブレストファイヤーぶちかましやがって…。」


「旦那ァ、訳分かんねェんで一から説明して下せェ。」


…あー、このしゃべり方…
万事屋って単語…。









坂田銀時…。

万事屋という、何でも引き受けてくれるという変わった仕事をしていて…


私が吉原で働いていた和菓子屋の常連で…
よく和菓子代ツケにしてた、

ニート侍。
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