サディスティック・スノウ
□九話 側に
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その後、無事に十四人の浪士を捕縛した俺達一番隊は、屯所へその旨を近藤さんや土方さんに報告しようと帰った。
そして、真っ先に飛んできたのは激励の言葉なんかじゃなく…
「総悟ォォオオオ!!新入り勝手に現場へ連れて行くんじゃねェェエエエ!!」
「何言ってんでさァ、土方さん。
新入りが仕事早く覚えるのに実践経験は必要不可欠ですぜ。」
「だからってコレは三輪車しか乗れねェ餓鬼にいきなり一人でバイク乗せるようなモンだろーが!!」
あー、うるせーうるせー。
こっちはさっきのことでまだ腹が立ってるっつーのに、
土方コノヤローの馬鹿デカイ声で更にストレス溜まった。
俺は煩い土方さんを愛用のバズーカで適当に倒してから部屋に向かった。
あ、報告書…書くのめんどくせェ。
神崎…大串はその後も気絶したままで、医務室で休ませている。
そういや今夜、近藤さんが大串の歓迎会やるっつってたな。
その頃には叩き起こすか。
さて、それが終わったら…
俺は土方さんにあることを頼みに行かなきゃならねェ。
近藤さんを守るため。
俺がやらなきゃならねェことだ。
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大串の目が覚めたのは夕飯になってからだった。
その頃には、広間での歓迎会の準備は終わってて、
女中のオバチャンに一際豪華につくってもらった料理や大量の酒が並んでいた。
後は大串を呼んでくるだけ。
医務室へ迎えに行ったのは土方さんだ。
…本当に、アイツから出る殺気に、俺以外に気づいていねェんだと、改めて思った。
……アイツは、『ヤバイ』。
土方さんは良いとして…
近藤さんには絶対に近寄らせねェようにしねェと…。