サディスティック・スノウ
□五話 良策現実に苦し
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パキン
硬い金属が気持ちよく割れる音がした。
いや、折れる音に近い。
カシャン
と、金属片が落ちる音もした。
私は目を瞑って、もうすぐ終えようとする寿命が尽きるのを待っていたけど、
二秒、三秒…十秒数えてもその気配はない。
…なに?
私はそっと瞼を開いた。
真っ先に見えたのは、目を見開いたあの茶髪警察官。
抜かれた刀。
驚く背後の警官二人。
…落ちている刀の先っぽ。
『……へ?』
「……え?」
「んな…!!」
「…ちょ……折れ…!」
何で?
何で日本刀折れてんの?
西洋刀は日本刀より脆いってのは聞いたけど、
何で天下のジャパンソード折れてんの?
『あの、私…斬られ…っ!』
私は慌てて自分の首もとを指でなぞるけど、
傷どころか皮一枚斬れていない。
勿論痛みもない。
これ、この総悟って人が失敗したとか…?
でも、警官なら刀使いなれてるはずだし…
失敗とか…あり得る…?