ゆきうさぎ
□11章 心臓に悪い人
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…阿伏兎視点…
殲滅戦一日目が終了した。
こちらの被害はゼロ。
まあ、雑魚ばっかだったから当たり前っちゃ当たり前だよな。
団長に任せたさくらも無事だったみてぇだし。
それで、今はとりあえず全員母船に戻って夕食。
夜兎族が多い俺ら第七師団は、生半可な食事量じゃ足りない。
現に、今も食事が消えたり料理当番が慌てて次を出したりを繰り返してる。
俺(阿伏兎)と団長(神威)は食堂の隅っこの大テーブルを陣取り、食い物を口から腹に詰めている。
…しっかし、団長の食べるスピードがいつもより格段に遅い。
何か考え事をしているかのように、時々箸を止めているからだ。
気になってはいたが、敢えて触れないようにした。
団長にも何か深く考えたいこともあるさ。
「ねぇ、阿伏兎。聞きたいことが有るんだけど。」
「何だよ?オジさんに聞かなきゃ分からねぇことか?」
ほうってこうと思ったが、向こうから聞いて来やがった。
俺は( ゚д゚)ハッ!←とし、
少なくともいい予感はしなかった。
だって、コイツ(神威)の考えることなんて、殺し、殺し、殲滅、侍位だ。
絶対に何か物騒な話をするに決まっ「女に惚れるってどうすれば良いのかな?」
まさかのマトモな質問キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
「え、何?それ、本当に団長からの質問?」
「俺の口から言ってるから、間違いないヨ。」
…これは、ウチの団長様が人の心に目覚めたとか…?
マジか。
誰か赤飯持ってこい。
「俺さ、今より強くなるために修羅道って奴を行ってみたいんだ。
その為に、俺が女に惚れる必要があるらしくて。」
「よく分からねぇんだが。」
「大丈夫、俺も深く理解してる訳じゃない。」
兎に角、何となくニュアンスで理解するに、人の心に目覚めた訳じゃあ無かったみてぇだ。