ゆきうさぎ
□10章 修羅道
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…某惑星…
春雨の大きな星船は、今回の殲滅の対象となる惑星の、比較的安全である平地に着陸した。
私(さくら)は、殲滅戦に備えて戦闘服(神威提督が前に着てたもの)に着替えた…のだが。
『…若干大きいんですが。』
「まあ、俺のお古だし。」
袖も裾も余り、正直言って動きづらい。
これに外套(マント)を羽織るから、更に動き辛さ倍増。
『これじゃあ、逃げるに逃げられないですよ。』
「逃げる必要が無いから大丈夫だよ」
『…そーゆー問題じゃないッス』
上は何とか腕まくりしてみるけど、下は流石に下がってくるから無理。
『…ちょっと裾あげの為に縫って来ます』
「そう言う暇ないから諦めようか」
とりあえず、私は阿伏兎さんと神威提督に付いて周り、出会う植物型えいりあんを片っ端から倒すことになった。
計画では、第七師団が全員参加で四日間程で制圧出来るらしい。
そして、あらかた制圧した所で、私が出来る限りの力で惑星自体を凍結保存させるのが最終目的。
惑星着陸用の小型船に私、提督、阿伏兎さんが乗り込む際、私は阿伏兎さんに聞いてみた。
『凍結保存って大丈夫なんですか?』
「まあ、植物栽培出来る奴らはもう、えいりあんに殺られちまってるし、だったら保存させて栽培方法探る方が効率的だろ。」
座席に座り、傘のメンテナンスをしながら答えてくれた。