ゆきうさぎ

□13章 大手柄?
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『………提督が寝かせてくれなかったんです。』


私はボソッと聞こえるか聞こえないか位の声で言った。


「ん?何だって?」


『ただの寝不足です。おはようございます。』


私は無理矢理笑顔を作り、阿伏兎さんと一緒に食堂へ向かった。

















「あ、さくらおはよー。」


食堂の隅の大きなテーブルから食事中の神威提督が手を振っていた。


『……おはようございます。(バカ)提督。』


私は寸での所でバカという言葉を飲み込んだ。


「あり?もしかして、寝不足?」


ぷち。















もー怒った。
私の安眠妨害しやがって。


私は提督に掴みかかり、揺さぶった。


『てーとくがっ!私をっ!寝かせてくれなかったんでしょーがァァァァァァァァ!!』


ゆっさゆっさと食事中の提督を揺らし、怒りに任せて大声を出す。



すると、食堂内がしん…と静まり返った。









しまった。


アレだ。

皆にアレ的な勘違いをされている。 








「…え、お前らもうそんな関けブファッ!「取り敢えず口閉じようか。」




喋ろうとした阿伏兎さんの口を、神威提督がチャーハンの乗った皿で塞いだ。




『えと、語弊です。
間違え…てないけど、
間違えました。はい。すみません。』



阿伏兎さんの二の舞になりたくない私は急いで謝った。








「………。」





ヤバイよ。
にっこりしてるけど、殺気隠せてないよ。
怖いよ。トラウマ再びだよ。



『お、お騒がせしましたァァァァ!』



私はもうひとつのチャーハン皿とレンゲだけひっつかんで逃げた。


そして、部屋でもそもそと食べた。














(食器はちゃんと後で返しました。)
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