ゆきうさぎ
□3章 雪と兎
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「待ちやがれぇぇぇ!」
運転手を含む、天人三人が追いかけてきた。
病院で寝たきりだった体は、想像以上に体力を減少させていて、すぐに走れなくなってしまった。
とあるビル街の暗い路地裏。
距離的に言えば、そんなに逃げられてない。
行き止まりではないが、囲まれている。
(怖い…!)
足の震えが止まらない。
何故追いかけられているのか分からない。
捕まりたくない。
『嫌…。嫌…!』
追い付いた天人の一人が、
さくらの腕を掴んだ。
『触らないでぇぇぇ!!!』